

愛好家が増えているランニングについて、2回に分けて内藤教授に解説していただきます。運動生理学の観点から見つめ直すことで、より長い時間、効率的に走るためのヒントを探りましょう。走っている方も、これから走ろうと考えている方も必見です!

二足歩行の人間にとって「走る」とは、ある程度健康な人であれば誰でもできる、最も基本的な運動です。多少の上手下手はありますが、誰でも簡単に取り組めるスポーツだと言えるでしょう。また、健康づくりのためのゆっくりした走りからアスリートに至るまで、目的や年齢に合わせて強度を変えることで、調整の幅がきくスポーツだというのも、ランニングの魅力の1つですね。
ところで今、ランニングには上手下手が少ないと言いましたが、走る以上はみなさん上手に走りたいですよね? 運動生理学の観点から、愛好家ランナーの上手な走りを「長時間疲れずに走り続けること」と定義するならば、なるべくエネルギーを使わず走れるかどうかが鍵になります。車に例えるなら、同じ距離でもガソリンを10L使うより、8Lで済む方が上手なエコドライブができているイメージですね。
ランニングのエネルギー源は、前回Q2「筋肉が疲労を感じる運動の場合」でご紹介したように、体内にある脂肪や炭水化物(グリコーゲン)を酸素で燃焼して作られます。ところが、ある一定の運動強度を超えてしまうと、酸素供給が追いつかず、炭水化物(グリコーゲン)を分解して自らエネルギーを生み出し乳酸が発生します。これも前回お話したように、乳酸は生産と消費のバランスが取れていれば、決して悪者とは言い切れませんが、増え続けると筋肉が力を出せなくなるなどの影響が出て、結果的に走り続けられなくなってしまうのです。つまり、一般のランナーにとってまずこの乳酸が増えないラインを知ることが大切!車で例えると巡航スピードとでもいいましょうか、長い時間運動し続けることができる「強度」の上限を知ることがとても重要になってくるのです。

















