今回は「バスクリンの森」番外編として、バスクリン商品がどのようにできているか、静岡県にある工場を訪ねました。

長年人の手が入っていなかった場所を「バスクリンの森」と名づけ、森を整える活動を行う株式会社バスクリン。入浴剤のパッケージに使用している紙部分の約77%は古紙を使用するなど、環境に配慮した取り組みを行っています。

ここでは「バスクリン」を始め、「きき湯」などの入浴剤を生産しています。建物は6階建て。製造工程は6階から始まり、1階まで順番に進んでいきます。これは、入浴剤となる原料を移動させる電力エネルギーを少しでも減らす取り組みなのだとか。

「『バスクリン』の製造は、レシピに沿ってつくられる料理のようなイメージです。」と生産部管理課マネージャーの石田富雄さん。工場内を同行して説明していただきました。

石田さん:「6階から4階ではさまざまな原料や香料を、『バスクリン』をつくるための“レシピ”に沿って調合していきます。そして3階から1階では、調合された粉末を貯蔵したり、パッケージへ包装したり、私たちが普段手にする形へと整えていきます。」

工場内では商品に異物が入らないよう、フードのついたつなぎの作業着にマスクをつけて入りました。フードの下には、髪の毛が落ちてこないようヘアキャップもつけ、さらに靴も工場内専用のものに履き替えます。

「バスクリン」と一口に言っても種類によって、原料も異なり、調合内容もさまざま。商品の種類によっては、原料を人の手で調合しているのだそう。

また、工場では全ての種類を同時につくっているわけではありません。「今週は『ゆずの香り』」「来週は『森の香り』」のように、商品ごとに生産日数が異なります。しかし製造に使う機械は同じもの。

原料が異なる商品に切り替わるときは、使っていたパイプや部品などは全て洗浄してから製造することになるのです。

石田さん:「何度も切り替え作業を行うと、洗浄のために水をたくさん使うことになってしまいます。環境に配慮し、節水をするため、生産スケジュールは特に注意して考える仕事です。」

部品を洗う時も、お湯に一度つけてから洗い流すことで、少ない水の量で洗浄することを心がけているのだとか。「お湯に溶ける」入浴剤の特徴を活かした洗い方だと言います。

エコの心がけはさらにもう一つ。「バスクリン」のパッケージを梱包していたラップフィルムにもリサイクルを考慮した工夫がありました。製品情報を記載したラベルなどはラップフィルムに貼らず、パレットに表示することで、ラップフィルムはそのままリサイクルに出せるようにしているのだと言います。

機械の厳密なチェックで、出荷NGと判断されたものは、リサイクルに出すなど、ゴミを極限まで減らすよう工夫しているそうです。

安全な商品を安心して使ってもらえるよう製造することはもちろん、余分なエネルギーを使わずに商品を製造したり、電気や水を節約したり、リサイクルを考慮した梱包にするなど、小さなことでも日々積み重ねていくバスクリン静岡工場でのものづくり。環境のことも考えながら、丁寧に製品が作られていることを感じました。

自然由来の原料だけを使った薬用入浴剤「バスクリンマルシェ」。
食事や衣類のように、お風呂でも、自然由来の素材を楽しみながら取り入れ、心まで豊かになってもらいたい。そんな想いでつくりました。
素材を楽しむ、ここち良さを体験されてはいかがでしょうか?
「バスクリンマルシェ」の売上の一部を森林保全に寄付しています。

文:もりやみほ、写真:市岡祐次郎