季節問わず、お肌の乾燥はつきもの。お風呂に入ることで、一見保湿をしているつもりでも、実はできていないことが多い?お風呂上りの乾燥のメカニズムをご紹介します。

お風呂上がりの乾燥にご注意!!乾燥のメカニズムとは?

身体もぽかぽかに、お肌もつるつるに、お風呂ってスキンケアにはピッタリですよね。
でも実は、お肌を労わっているつもりでも、入浴が乾燥の原因になってしまうこともあるんです。
お風呂の温かいお湯は、1日の汚れと一緒に皮脂も落としてくれます。皮膚を覆っている皮脂が取れると、一時的に角質層へ水分が入るため、お肌には、肌本来のうるおいが戻ってきます。お風呂で自分の肌を鏡で見ると、なんだかみずみずしいなと思うことがあるのはそのせいですね。
しかし、皮脂が落ちたということは、角質層に入り込んだ水分を閉じ込める「フタ」がない状態ということ。このフタがなくなると、入浴時に角質層に入り込んだ水分が、どんどん外に出て行ってしまいます。入浴時や入浴直後はみずみずしさでいっぱいだった肌も、少し時間がたつと、入浴前よりも肌の水分が少なくなってしまうことがあるのです。20分もそのままにしておくと、お風呂に入る前よりも肌の水分量が少なくなっていることも。

お顔のスキンケアだけでなく、ボディのスキンケアも!

こうしたお風呂上がりの乾燥からお肌を守ってくれるのが、スキンケアタイプの入浴剤です。最近では男女問わず、季節問わず、お顔のスキンケアは、習慣化しています。しかし、ボディのケアはどうでしょう?寒い季節は肌がカサカサしてかゆみもひどくなり、ボディ用のクリームやかゆみ止めなどが手放せない、という話もよく聞きます。
そこで、スキンケアタイプの入浴剤を入れてお風呂に入れば、ボディ全体のスキンケアができ、カサカサを防いでくれるんです。

硫酸ナトリウムとホホバオイルが配合された入浴剤を入れたお湯と、さら湯との水分量比較実験では、図のような結果に。入浴剤を使用すると、さら湯で入浴した時よりも、肌の水分量が多くなっていることがわかります。

入浴時のポイントは、お風呂から上がる直前に、もう一度スキンケア入浴剤の入ったお湯に浸かること。体や髪を洗うときは、シャワーを使用する方も多いと思いますが、バスタイムの〆は入浴剤の入ったお湯に入って、もう一度リラックス&お肌のケアをおすすめします。

いかがでしたか?お顔の乾燥は気になっても、ボディの乾燥は意外と見落としがち。スキンケア入浴剤を入れたお風呂にゆっくりつかって、身体とお肌をケアしてみてくださいね。

※硫酸ナトリウム:代表的な温泉成分。入浴剤の成分のひとつとして用いられます。

典拠:宍戸吉浩 他「浴用剤の保湿性に関する研究」『日温気物医誌』第52巻(2)、pp.97-103、1989年。