株式会社バスクリン(本社:東京都千代田区 社長:三枚堂正悟)つくば研究所は、東京都市大学人間科学部学部長 早坂信哉教授の研究グループとの共同研究で、0-5歳の子を持つ方(保護者)を対象に入浴習慣と風邪やインフルエンザの発症に関する調査を行ったところ、浴槽入浴の回数が多いと風邪やインフルエンザの罹患が少ない可能性があることが分かりました。
今回の研究成果は、第33回日本疫学会学術総会(2023年2月1日~3日・浜松開催)にて報告しました。

【結果まとめ】

◆子どもの浴槽入浴頻度が週6回以上の群は、週5回以下の群と比べて、風邪の罹患率はやや高いがほぼ同等で、インフルエンザに罹患する割合が低い傾向にあった

◆保護者の浴槽入浴頻度が週6回以上の群は、週5回以下の群と比べて、風邪の罹患率が低かった

【背景】
入浴と風邪の発症の関連については、基礎研究で入浴が温熱作用によって一部のリンパ球の活性化など免疫機能への好影響を示唆する結果はあるものの、疫学調査報告は多くなく、特に子どもに対する調査は少ないのが現状です。そこで、東京都市大学と共同で、0-5歳の子ならびにその保護者を対象に、入浴習慣と風邪・インフルエンザの罹患との関係を明らかにすることを目的とした調査を行いました。

【方法】

調査期間: 2021年1月
調査対象: 0-5歳の子を持つ者(保護者)
調査方法: Webでの自記式横断研究
調査項目: 子と保護者の性、年齢、子と保護者の冬の週当たりの浴槽入浴回数、
2019年秋からの子と保護者の風邪・インフルエンザの罹患状況
解析方法: 単純集計後、子・保護者の浴槽入浴で対象者を週6回以上と5回以下に分けた後、
クロス集計しカイ二乗検定を用いて比較
平均年齢: 保護者:30.7±4.6歳、子:2.1±1.5歳
性別: 保護者:男211人(49%)、女218人(51%)、子:男児214人(50%)、女児215人(50%)

※今回はいずれも統計学的有意差はありませんが、調査対象者数が少なかった可能性があります。
※本研究は回答者の記憶による情報であり、研究結果の解釈には限界があります。


本調査は、東京都市大学「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会の承認を得て実施しました。

【まとめ】
本調査の結果から、浴槽入浴の回数が多いと風邪やインフルエンザの罹患が少ない傾向にあり、過去の基礎研究と矛盾していない可能性が示されました。

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