お風呂に入って、よく眠る。
“いい生活のリズム”が、
トップパフォーマンスの源です。

- ――トップパフォーマンスを出すために意識して取り組んでいることはありますか?
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新谷選手:もちろんトレーニングは大切ですが、私がそれ以上に意識にしているのは、いい生活のリズムを作ることです。
食事と入浴、睡眠――これらを「毎朝、歯を磨く」、「出かける前に鏡を見る」のと同じように当たり前のこととして行い、いい生活のリズムを作る。そうすることでコンディションが整い、本番でのパフォーマンスアップにつながるんです。
生活のリズムを変えようとすると、はじめの1日、2日は少し負担を感じるかもしれません。でも、続けていくうちに次第に「あ、やらなきゃ!」と無意識のうちに行動できるようになれると思います。


シャワーから入浴へ切り替えるだけで、
生活そのものが
いい方向へ向かうことも。
- ――私たちでもできる「いい生活のリズム」を作るためのコツを教えてください
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新谷選手:たとえば「週末の東京マラソンに向けて今日からがんばろう!」と、その週の木曜日から食事や入浴を見直したとしてもなかなか効果は期待できません。
だからこそ、大切になってくるのが事前の準備です。目標に向けて、入浴の時間や温度、就寝するタイミングなどを決めてルーティン化する。そうすることで、ようやくパフォーマンスアップへつながっていきます。
もしそのルーティンが合わないなと感じたら少しずつチューニングしていけばいいし、事前に時間があればあるほどいろいろな方法が試せ、自分に最適な方法が見つけやすい。
ですから目標から逆算して計画的取り組んでいくことが、コンディションを整え、いいパフォーマンスを発揮するために欠かせないと感じています。

- ――生活のリズムを作るために、「入浴」とはどのように向き合っていますか?
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新谷選手:幼い頃から熱いお風呂が大好きで、私が湯温を上げるせいでガス料金がかさんでしまい、「また、あなたでしょう!」と母から怒られることも(笑)。
そんな私が、今のように入浴がもたらすパフォーマンスへの影響を感じ始めたのは、20歳を過ぎた頃。湯船に浸からないといい睡眠がとれず、競技でパフォーマンスが上がらない…という悪いサイクルに陥ってしまうことが分かったからです。
一般の方でも、“生活の質を上げる”という点では同じ。「友だちと遊ぶ」、「勉強する」といった日々の何気ない行動も、入浴でいい方向に向かうこともあると思います。
ですから、今はシャワーで済ませてしまっている人も、明日一日を楽しく過ごすためにも入浴を習慣化してみるといいかもしれません。



湯船の中で足指マッサージをすれば、
体のむくみもすっきり解消できます。
- ――お風呂での過ごし方や入浴剤選びのポイントについてはいかがでしょう?
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新谷選手:小中学生の頃はよくバスルームの照明を暗くして、湯船に光るおもちゃを浮かべて遊んでいましたね。手軽に気分を上げられるし、“SNS映え”を楽しむ今の若い人たちもマッチする楽しみ方かもしれません。
また、私は入浴剤も大好きで、『きき湯』や『日本の名湯』は昔から愛用。30歳を過ぎた頃からは、「香り」を意識して入浴剤を選ぶようになりましたね。
体調によって香りの好みも大きく変わりますし、「昨日はあの香りの気分だったけど、今日はこの香りの気分かな?」と、その日の気分で入浴剤をチョイスしています。


- ――最後に、新谷選手ならではのお風呂タイムのリフレッシュ法を教えてください
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新谷選手:おすすめは湯船の中での足指ストレッチです。
肩や腰といった“大きな筋肉”のマッサージは普段意識しなくてもできますが、足指のような“小さな筋肉”のストレッチは意識しないとできません。
特に女性は日中ハイヒールなどで足先が締め付けられてめぐりが滞り、ふくらはぎやお尻がむくみがちです。また、それが常態化することで、歩き方や体の姿勢までも悪化させてしまいます。ですから、一日の最後に湯船の中で足の指を伸ばす。そうすることで足先の筋肉がほぐれ、むくみを解消できるんです。
ぐりぐり痛いマッサージや体全体で行うストレッチではなく、足指のような小さな筋肉のケアは、お風呂タイムにぴったり。足指の筋肉がほぐれると、お風呂から上がったときに気持ちもすっきりしますよ!