株式会社バスクリン(本社:東京都港区 社長:古賀和則)は、専修大学スポーツ研究所と共同研究を行い「入浴法がレスリング強化合宿中のコンディションに及ぼす影響」について第24回日本臨床スポーツ医学会学術集会で報告しました。

目的(株)バスクリンでは「女子レスリング選手の入浴方法とコンディショニングに関する実態調査」を行い、浴槽浴は疲労回復やリラックスを、シャワー浴は身体の洗浄を目的としており、目的により入浴方法が異なることを、昨年の第23回日本臨床スポーツ医学会学術集会で報告を行いました。
今回、入浴方法の違いが心身に与える影響について「入浴法がレスリング強化合宿中のコンディションに及ぼす影響」というテーマで第24回日本臨床スポーツ医学会学術集会にて報告しました。
方法試験期間:2012年6月28日~7月2日
対象者:メダルポテンシャルアスリート育成システム所属女子レスリング選手11名
入浴方法:浴槽浴群(体洗浄後39℃ 15分間の全身浴)
シャワー群(体洗浄後39℃ 15分間のシャワー浴)
結果舌下温(深部体温)は浴槽浴とシャワー浴では有意に浴槽浴の方が高い結果を示しました。

4日間の精神状態を示す、就寝前のPOMS評価結果では、浴槽浴群もシャワー浴群も、疲労の数値が高く示されていました。特にシャワー浴群は、常に活気が低く、抑うつや疲労などが高い「逆アイスバーグ型」の気分状態が悪化したことを示しました。
また、就床前の疲労感について、シャワー浴群において有意悪化していることが示唆されました。
考察浴槽浴は、「温熱」・「浮力」・「静水圧」などが身体に作用します。浴槽浴は、シャワー浴より有意に体温を上昇させました。これらの温浴作用が、就床前の疲労回復感や気分状態を良好にしたと考えられます。
レスリング選手をはじめとするアスリートにおいては、強度な練習後の疲労回復を促し気分状態を良好にすることは、心身のコンディションを維持する上で重要です。就床前の入浴は、身体の洗浄を主目的とするシャワー浴で済ませることなく、浴槽浴を行うことでコンディション維持に良い影響を及ぼすことが示唆されました。