ニュース&トピックス
研究開発
2008年09月26日

~新しい育毛素材の発見~
生薬(ホコウエイ根)及びその含有成分に
「HGF産生促進作用」と「毛包・毛髪強化因子の発現促進作用」を確認
~日本生薬学会第55回年会にて発表~

ツムラ ライフサイエンス株式会社

ツムラ ライフサイエンス株式会社(本社:東京都港区 社長:古賀和則)では、生薬「ホコウエイ根(タンポポの根)」の育毛・発毛作用について研究を重ね、「HGF(肝細胞増殖因子)産生促進作用」と「毛包・毛髪強化因子の発現促進作用」を新たに発見したことを日本生薬学会第55回年会にて発表しました。HGFは休止期の毛包を成長期へ導く因子として知られており、その産生を高めることは育毛・発毛作用に有用であると考えられます。また、ホコウエイ根エキス中のHGF産生促進物質のひとつがチコリ酸であることも明らかにしました。さらに、遺伝子解析の結果から、髪の毛のケラチンを束ねたり、毛包を構造的に強くすると報告されているたんぱく質(repetin、trichohyalin、involucrin)の遺伝子発現がホコウエイ根エキスにより高まることを確認しました。このことは、髪の毛のハリ・コシを強くする育毛剤への応用の可能性を示唆しています。
以上のことから、ホコウエイ根エキスは育毛剤の素材として非常に有用であると考えています。

背景/目的

現在、「髪の毛にハリやコシが無くなった」、「薄毛になった」、「髪が細くなった」という「髪の毛」に関する悩みを持つ人は多く、女性用育毛市場は拡大しつつあります。 今回当社は、これらの悩みを解消し、活き活きとした生活が送れるよう、女性特有の変調による脱毛や薄毛・細毛に着目し、漢方や中医学で、女性機能の正常化のために用いられている生薬の中からホコウエイ根を選抜しました。
そして、ホコウエイ根エキスによる育毛・発毛作用について確認、また、育毛・発毛に寄与していると考えられている肝細胞増殖因子(HGF)への影響や、GeneChipを用いた網羅的遺伝子解析等による新規メカニズムの解明をすべく、マウスによる試験、たんぱく質発現解析および遺伝子発現解析を行いました。

方法

  1. マウスの背部に塗布し、背部写真の画像解析による育毛・発毛試験
  2. 正常ヒト皮膚繊維芽細胞のHGF産生に対する促進作用
  3. GeneChipによるマウスの皮膚での遺伝子発現の解析
  4. 毛包・毛髪強化因子の発現促進作用の検討

結果

  1. 成長期に導いたマウスの背部にホコウエイ根エキスを塗布した育毛試験において、毛再生率を測定した結果、control群(14.0%)と比較し、ホコウエイ根エキス2%塗布群(36.5%)は有意に高い値を示しました。また、病理組織学的検査においても、ホコウエイ根エキス2%塗布群はcontrol群と比較し、明らかな毛包の成長促進(育毛作用)が認められました(図1参照)。また、休止期の毛髪を成長期に誘導する作用(発毛作用)を確認する発毛試験においては、毛再生率はcontrol群(20.4%)と比較し、ホコウエイ根エキス2%塗布群(49.3%)は有意に高い値を示し、ホコウエイ根エキスの発毛作用が確認されました。
  2. 正常ヒト皮膚繊維芽細胞の培養上清にホコウエイ根エキスを添加し、上清に産生されるHGFの量を測定した結果、顕著なHGF産生促進作用が認められました。HGFの産生促進がホコウエイ根エキスの育毛・発毛作用のメカニズムの一つであると示唆されました(図2参照)。
  3. ホコウエイ根エキス中のHGF産生促進物質のひとつがチコリ酸であることが明らかになりました(図3参照)。
  4. 網羅的に遺伝子の発現を解析できるGeneChipを用いて、ホコウエイ根エキスを塗布したマウスの皮膚の遺伝子レベルの変化を解析した結果、有意に発現が増加している遺伝子を発見しました。
  5. GeneChipで変化の確認された遺伝子を中心に、リアルタイムPCR解析法を用いて正常ヒト角化細胞での発現の解析を行った結果、ホコウエイ根エキスは毛包・毛髪強化因子と考えられているrepetin、 trichohyalin、involucrinの遺伝子発現を促進していることを確認しました(図4参照)。
図1 ホコウエイ根エキスの毛髪成長促進作用
図1 ホコウエイ根エキスの毛髪成長促進作用
図2 肝細胞増殖因子(HGF)への影響
図2 肝細胞増殖因子(HGF)への影響
浴用剤の血流増加効果
図3チコリ酸の構造
図4 ホコウエイ根エキスのrepetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現促進作用図 図4 ホコウエイ根エキスのrepetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現促進作用図
図4 ホコウエイ根エキスのrepetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現促進作用図  
図4 ホコウエイ根エキスのrepetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現促進作用

考察

ホコウエイ根エキスの育毛・発毛効果に関するメカニズムの一つは、HGF産生促進作用であると推測されました。さらに、ホコウエイ根エキスは、髪のケラチンを束ねたり、毛包の鞘の部分を強化するたんぱく質である repetin、trichohyalin、involucrinの遺伝子発現を高めたことから、毛包を太く強くし、毛髪のハリ・コシを高めることが期待されます。
当社は今回得られた知見を活用し、ヒトでの効果検証などさらなる研究開発を進め、ホコウエイ根エキスを配合した育毛剤の発売を目指してまいります。

お問い合わせ先
マスコミの方のお問い合わせ先
マーケティング部 広報 石川
TEL:03-6327-2914 FAX:03-3453-8184
消費者の方のお問い合わせ先
お客様相談室 TEL:0120-39-8496
このページのトップへ