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研究開発
2019年11月01日

生薬「甘草」の抽出物にシワの原因となる
酵素の作用を多面的に抑制する効果
~抗炎症作用に加え、抗シワ効果にも期待~

株式会社バスクリン

株式会社バスクリン(本社:東京都千代田区 社長:古賀和則)は、入浴剤や薬用化粧品に配合している生薬「甘草」の抽出物が肌におよぼす効果に関する研究を進め、このたび、好中球エラスターゼ、線維芽細胞エラスターゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP1およびMMP2)の作用を和らげ、複数のアプローチでⅠ型コラーゲンの分解を抑えることを見出しました。これらの作用は、肌のハリや弾力性の低下を抑制し、シワの予防に効果的と考えられます。甘草抽出物を配合した入浴剤やスキンケア製品を使用することにより、年齢を重ねても、いきいきとした肌を保つことができると期待されます。
本成果は、9月22日から23日まで東京都で開催された日本生薬学会第66回年会にて発表しました。さらに、今秋に発売されるスキンケア商品に活用され、シワを目立たなくすることが期待できます。

ヒトの肌は、主に3つの層でできており、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」と呼ばれています。コラーゲンは、「真皮」の主成分であり、その重量の約70%を占めています。「真皮」では、コラーゲンが網目状のネットワークを作り、「表皮」の土台となるだけでなく、肌の強さや弾力性を生み出しています。Ⅰ型コラーゲンは、「真皮」に複数存在するコラーゲンの一種で、そのほとんど(約90%)を占めます。紫外線などによるダメージによりⅠ型コラーゲンを分解する酵素、好中球および線維芽細胞エラスターゼやMMPなどが増えると、本来の網目状ネットワークを保つことができなくなり、ハリや弾力性が低下したり、シワができたりすると考えられています(図1)。

図1:紫外線を浴びた肌でのシワ形成とⅠ型コラーゲンの断片化

紫外線によるダメージにより、肌の内部で炎症が生じますが、この炎症をケアするために、多くの薬用化粧品に抗炎症成分が配合されています。その代表的なものが、生薬「甘草」から精製して得られる抗炎症成分「グリチルリチン酸」です(図2)。株式会社バスクリンでは、グリチルリチン酸以外にも多くの種類の成分を含む甘草抽出物に着目し、研究を進めてきました。

図2:生薬:甘草の有効成分精製イメージ

1.甘草抽出物に、好中球エラスターゼによるⅠ型コラーゲンの断片化を防ぐ作用を確認
「真皮」を構成する線維芽細胞に好中球エラスターゼを添加すると、Ⅰ型コラーゲンの断片化が起こることを確認しました(図3)。この断片化は、甘草抽出物の添加により防ぐことができましたが、甘草抽出物に含まれるグリチルリチン酸の添加では防ぐことができませんでした。

図3:甘草抽出物によるⅠ型コラーゲンの断片化抑制作用

2.甘草抽出物に、線維芽細胞エラスターゼ、MMP1およびMMP2の活性を抑える作用を確認
肌の内部には、好中球エラスターゼ以外にもⅠ型コラーゲンの断片化を起こす酵素が複数あります。それらの酵素活性を甘草抽出物が抑えることができるか調べました。その結果、甘草抽出物は、線維芽細胞エラスターゼ、MMP1およびMMP2の活性を抑えることがわかりました。さらに、その作用は、グリチルリチン酸による作用よりもはるかに強いことが分かりました(図4)。

図4:甘草抽出物によるⅠ型コラーゲンの断片化に関与する酵素の抑制作用

本研究により、甘草抽出物は、真皮のⅠ型コラーゲンの断片化に関わる複数の酵素を抑制し、Ⅰ型コラーゲンの保持に有用であることを明らかにしました。これらの作用は、抗炎症成分「グリチルリチン酸」にはない、甘草抽出物の有用性であることを確認しました。
この結果から、甘草抽出物を、日常的に入浴剤や薬用化粧品などで肌に作用させることは、紫外線など様々な要因によって発生する炎症症状を緩和するだけでなく、Ⅰ型コラーゲンの劣化・断片化を防ぎ、シワの形成、肌のハリや弾力性の低下を遅らせる手段として有用であることが示唆されました。

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