ツムラ ライフサイエンス株式会社(本社:東京都港区 社長:古賀和則)は徳島大学医学部と共同で「モウコタンポポ(蒲公英)根エキス配合育毛剤」によるヒトでの育毛効果の有効性について実証しました。
なお、本研究内容は日本薬学会第129年会(2009年3月26~28日、国立京都国際会館)で発表しました。

背景

日本人の4人に1人が脱毛や薄毛で悩んでいる昨今、これらの悩みを解消するために有効な素材の探索が種々の観点から精力的に行われております。
株式会社バスクリンでは、これまでにモウコタンポポ(蒲公英; Taraxacum mongolicum)根エキスが有用な育毛・発毛作用を示し、これまでの素材ではまったく報告されていない毛髪や毛包の強化に関わるタンパク質(レペチン、インボルクリン、トリコヒアリン)のmRNAの発現を有意に促進する作用があることを報告しました。

目的

本研究では、生姜・人参・当薬・牡丹皮の4種のエキスに蒲公英根エキスを配合した製剤のもつ「ヒトに対する効果」について、女性を対象としたヒトフォトトリコグラム試験を実施し、ヒトでの育毛効果について検証しました。

試験方法

被験対象者薄毛が気になる40-60歳の女性(33名、平均年齢51.3歳)
使用方法および使用期間1日1回、適量(約2mL)を、頭皮全体に塗布し、軽くマッサージした。 育毛剤の使用期間は24週間とした。
被験製剤生姜、人参、当薬、牡丹皮および蒲公英根の抽出エキスを含有する製剤
評価方法
(フォトトリコグラム法)
使用前、使用12週後および使用24週後の計3回、頭部の毛髪を約1cm×1cmの面積で毛刈りし、毛刈り直後と3日後の拡大写真を撮影した。この写真を画像解析することにより、毛髪成長速度、毛直径および成長期毛率を測定した。

試験結果

今回試験を行った育毛剤の使用中に皮膚トラブルを訴えた被験者はいませんでした。

毛髪成長速度の経日変化 毛直径の経日変化
成長期毛率の経日変化(1) 毛髪成長速度の経日変化(2)

使用24週後において、毛髪成長速度および毛直径に関しては、使用開始前よりも有意な改善が認められました。また、成長期毛率については24週後で、初期値に比べて改善傾向にありました。この成長期毛率については、初期値の低い人だけでみると、有意な改善効果が認められました。

アンケート調査及び結果

各被験者対して、以下の5項目について、使用開始前と比較したアンケート調査を行った。アンケート項目:(1)抜け毛の量、(2)髪のコシ、(3)伸びる速さ、(4)髪の密度、(5)使用した感想

いずれの項目において、使用開始前と比較して有効であったと評価した被験者が多数を占めました。

まとめ

蒲公英根エキス配合育毛剤の長期使用により、毛髪の成長速度、毛直径および成長期毛率のいずれにおいても、ヒトフォトトリコ試験において、使用開始時と比較して有意な増加が認められました。特に毛直径が増加していること、使用者の実感としてのアンケートにおいては髪のコシの改善を実感した被験者が多いことから、本試験製剤には毛髪のハリ・コシの改善効果があることが期待されます。