株式会社バスクリン(本社:東京都港区 社長兼CEO:古賀和則)は、浜松医科大学 医学部 健康社会医学講座と共同で健康関連QOLと入浴法、主観的健康感や睡眠の質と入浴方法との関連について検討しました。 なお、本研究内容は第76回日本温泉気候物理医学会総会・学術集会(2011年5月13日(金)・14日(土)みやまコンセール)で報告しました。
目的
近年、日常生活での身体的な自立機能や心の健康を良好に保ち、生活の質(QOL:Quality of Life)を維持することが高齢者の最大の健康目標となっています。このような心身の健康状態を包括的に評価する指標のひとつとして、「個人や集団の主観的な心身の健康」と定義された健康関連QOLという概念が広く用いられています。
この度、健康関連QOLが良好な人の入浴方法を明らかにするとともに、主観的健康感や睡眠の質と入浴方法の関連を検討しました。
対象と方法
調査方法 | 自記式調査 |
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対象者 | 198名(医薬部外品等製造販売会社従業員とその家族) |
実施期間 | 2010年10月 |
調査項目 | 回答者の性、年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、入浴時の湯温、浴槽浴時間、浴槽入浴の水位、健康関連QOL(SF-36v2)、心理尺度(STAI、POMS)、主観的健康感、睡眠の質 |
解析方法 | 浴槽入浴頻度、入浴剤使用頻度、入浴時の湯温、浴槽入浴時間、浴槽入浴の水位、について健康関連QOL、心理尺度との関連を解析した。 また、主観的健康感、睡眠の質の回答によって良好と非良好の2群に分け、浴槽入浴頻度、入浴時の湯温、浴槽入浴時間、入浴剤使用頻度について解析を行った。 |
結果
アンケート回収率95%(188名)
社会生活機能の高い者は、入浴時の湯温が有意にぬるめで、全体的健康感の高い者は入浴剤の使用頻度が有意に高かった。
また、主観的健康感の高い者も有意に入浴剤の使用頻度が高く、睡眠の質については関連ある項目は無かった。
まとめ
本研究は特定企業従業員が対象であり、外的妥当性は弱いという限界はあるものの、全体的健康感と入浴剤使用の頻度、社会生活機能と入浴時の湯温に関連があった。
また、主観的健康感と入浴剤使用の頻度にも関連があった。
今後前向きに研究を進めていく予定です。
用語説明
※SF-36v2:健康関連QOLを測定するための尺度
※STAI:「状態-特性不安」を測定する尺度
※POMS:過去一週間の「気分の状態」を測定する尺度