株式会社バスクリン(本社:東京都千代田区 社長:三枚堂正悟)は、一般社団法人HSPプロジェクト研究所(所長:伊藤要子)との共同研究により、週2回の定期的なHSP (Heat Shock Protein)入浴を3週間継続することによる身体への影響について検証しました。その結果、リンパ球HSP量の高値の維持や、健康維持に関与する血管弾性の向上が認められ、HSP入浴を継続して行うことの重要性を確認しました。
本研究成果は、2019年6月1、2日に開催された日本生理人類学会第79回大会で発表し、優秀発表賞を受賞しました。

【背景と目的】
HSP (Heat Shock Protein)は、熱などのストレスによって発現量が増加し、細胞をストレスから守るタンパク質の一群で、日常生活で生じる様々なストレスによる傷害の修復を担っています。
株式会社バスクリンでは、一般社団法人HSPプロジェクト研究所と共同研究を行い、温熱負荷によって体内のHSP70量を高める「HSP入浴法」を提唱してきました。これまでの研究結果から、リンパ球中のHSP70の増加する入浴法は、無機塩含有炭酸入浴剤を使用し、40℃の湯に15分間の全身浴(体温を38℃以上または体温変化が1.5℃以上の上昇)に加え、保温が重要と考えています。また、HSP70の上昇は2日目がピークで4日目には低下し、1週間後には元に戻るため、週2回の定期的なHSP入浴法を推奨しています。
これまで単回浴による影響を主に研究してきたため、今回の研究では、継続的にHSP入浴を実施した際のHSP70の発現や身体に及ぼす影響について検討しました。

【方法】
被験者:20~60歳の健常男性11人(45.5±10.7歳)
試験デザイン:HSP入浴法(無香料無着色の無機塩含有炭酸入浴剤を使用し、40℃の湯に入浴。舌下温が38℃に到達後2.5分間の全身浴と、出浴後15分間の保温※)を週2回、3週間継続(計7回入浴)した。
※出浴後は、バスローブを着用し、保温。
測定項目:体温、血球及び生化学検査、HSP70、NK細胞活性、血管弾性(baPWV)、POMS2(短縮版)及び自己疲労度チェック等
測定日:初回入浴1週間前から最終入浴2週間後の間で、採血6回、その他測定5回
統計処理:paired t-test

【結果】
各被験者の入浴時間は、Total平均14分51秒±1分58秒間(舌下温38.0℃までの到達時間+2.5分の入浴時間)でした。また、舌下温の平均最高値は出浴2分後の38.39 ± 0.07℃であり、保温(出浴15分)終了時は37.85 ± 0.09℃でした。HSP70は、入浴前と比較して初回入浴2日後から最終入浴2週間後まで有意に増加しました(p<0.05)。健康維持に関与する指標の血管弾性(baPWV)は、HSP入浴期間中の後半で有意な低下を認めました(p<0.05)。気分状態を評価するPOMS2では、怒り-敵意、抑うつ-落ち込み、緊張-不安の項目で有意な低下を認めました。

【まとめ】
週2回のHSP入浴を3週間継続することで、入浴2日後から最終入浴2週間後までにおいてHSP70は有意に高値を維持しました。さらに、健康維持に関与する指標の血管弾性(baPWV)もHSP入浴を続けることで改善を認め、HSP入浴法の習慣化が健康維持にとって重要であることが示されました。

株式会社バスクリンは「健康は、進化する。」をスローガンに、お客様の健やかで心地よい生活の提供をめざしてまいります。