メニュー閉じる

研究領域

  • 入浴
  • 育毛
  • 生薬(植物)
  • 温泉

生薬(植物)-ミロバラン

ミロバラン果実エキスの皮膚に対する抗老化作用の研究

 人は年齢を重ねるにつれて、肌のハリやみずみずしさを失い、小じわが現れ、大きな悩みの種となります。肌の老化の原因は、紫外線、酸化、ホルモンや糖化など様々な要因が複雑に絡み合った結果として生じると考えられていますが、すべてが解明されているわけではありません。これまでに私たちは、生薬「訶子」(かし)から抽出したミロバラン*果実エキスが、皮膚の光老化に対して有効であることを見出してきました。そこで、ミロバラン果実エキスの皮膚水分蒸散量**の減少作用、皮膚の弾力性の増加作用を確認し、そのメカニズム解明を行いました。

ミロバラン果実エキスの皮膚に対する抗老化作用の研究

 * ミロバランは、インド伝承の東洋医学「ア-ユルヴェーダ」で3大果実とされ、「老化現象防止・無病の薬」 として用いられています。
** 皮膚の水分蒸散量
 健康な皮膚は、乾燥を防ぐために水分が蒸散しないようにバリアによって守られていますが、皮膚のバリア機能が老化などの何らかの原因で崩れると皮膚の水分蒸散量が上がってきます。水分蒸散量は、皮膚の荒れ具合、老化の進行具合を測る重要な指標であると考えられています。

ヒトの体に最も豊富に含まれるⅠ型コラーゲンの産生を促進する因子

 ミロバラン果実エキス(TFE)10ppm 添加群では、無添加群と比較して、有意にⅠ型コラーゲン*の産生を促進するGDF5**の分泌量の増加が認められました。
 *I型コラーゲン:肌の弾力に関わる皮膚の構成タンパク質。このタンパク質が減少したり分解されてしまったりするとシワの原因となることが知られています。
** GDF5:成長分化に関わる因子

ヒトの体に最も豊富に含まれるⅠ型コラーゲンの産生を促進する因子

天然保湿因子のフィラグリン前駆体の分化促進作用

 ミロバラン果実エキス(MFE)は、表皮角化細胞の分化を促進し、肌の潤いを保つ天然保湿因子 (NMF) となる総フィラグリンの発現およびフィラグリンへの分化を促進しました

天然保湿因子のフィラグリン前駆体の分化促進作用

ミロバラン果実エキスのMMP2***活性阻害作用

 濃度依存的にMMP2活性が阻害されることが認められました。しわの成因の1つに、紫外線UVBにより活性化されたMMP2が、表皮と真皮を接着している基底膜成分を%