化粧品や香水などにも使われ、すっかり身近になったバラの香り。その華やかな香りにはどんな秘密があるのでしょうか?

古くから愛されてきた「美」の香り、ローズ

バラは、世界中の人々から愛される花で、形や色調が美しく、香りも魅力的で「香りの無いバラは笑わぬ美人の如し」と言われるほどです。

紀元前数千年の昔には、バラの花弁を乾燥して薬用に用いられ、バラ水は強心剤や腹痛薬の特効薬として珍重されていたとされます。酒類や食物の香り付けに用いられておりました。女性のからだのリズムを整える香りともいわれます。世界三大美女の一人、クレオパトラもバラの香りを好み、お風呂にバラの花びらを浮かべて楽しんでいたと伝えられています。バラの花言葉は、色、本数などによっても変わってきます。プレゼントの際は、少し注意が必要ですね。

ローズの香りも様々

ローズ精油は、トルコ、フランス等のヨーロッパ各地で採油されますが、その中でもブルガリア産が最高級品とされています。最高級品のローズは、手摘みした花弁のみ10tから1kg程度の精油しか取れません。そのため、1kgあたり数百万円で取引されます。しかし、一度抽出したローズの花弁を、2度、3度と繰り返し抽出利用することで、1kgあたり数千円の安価なローズ精油となります。

日本の北部に自生している原種のバラに「ハマナス」があります。世界的な植物学者・牧野富太郎博士によれば、ハマナスの本当の和名はハマナシ(浜梨)で、赤く熟すると梨のように甘いことによると言います。ブルガリアのローズ精油にも似た成分が含まれています。東北人の「シ」を「ス」と発音することから「ハマナス」となったといいます。

ローズの香りをお風呂で楽しむ

エレガントで深みのあるローズの香りのする入浴剤は、上品で優雅にバスタイムを楽しませてくれます。「不可能」から「夢かなう」の花言葉に変わった青いバラは、心身の疲れを浄化し、もう少しゆっくりしたいと言った大人の香りと言って良いでしょう。

また、天然のローズから採取したアブソリュートを炭酸の発泡とともに浴室中に広げれば、疲れた体や気分をリセットしてくれます。ローズの香りを付加した入浴剤を使用した際の快適性を脳波で検証してみました。その結果、ローズの香りの入浴剤を使った場合は、香りの無いさら湯と比較し快適性の向上を認めることができました。さらに、発泡とともに揮散させたローズの香りは、さらに快適性を高めることができました。

ローズの香りを浴室中に広げる技術を、クレオパトラが知ったらどうしたでしょうか?

2012年4月リリース:入浴及び入浴剤の香りによる、生体への影響—入浴の効果を科学的(脳波)に検証—