入浴や入浴剤の正しい知識をご存じですか?

お湯の温度は熱い方が体に良い? 炭酸ガスの泡を体に当ててもあまり意味がないって本当? そんな入浴や入浴剤の身近な疑問を解説します。

入浴や入浴剤の効果、ウソ・本当

■熱いお風呂の長時間入浴が体に良いって本当?

熱い湯温の温泉も多く、熱めのお風呂に入浴すると、体に良い気がしますが、実はこれはウソです。42℃以上の熱いお湯への長時間入浴は、体への負担も大きく、また皮膚の乾燥も招いてしまい、おすすめできません。
入浴に対してリラックス効果を求めている方や、寝る前に入浴をするという方には、39~40℃のぬるめのお湯でゆっくりと入浴するのがおすすめです。ぬるめのお湯は、熱めのお湯に比べて、交感神経が抑制されて、リラックスできます。

■炭酸ガスの泡を体に直接当てても、あまり意味が無いって本当?

これは本当です。炭酸ガスタイプの入浴剤を使用した際に、シュワシュワとした泡を体に当てると、疲れが取れると思っていませんか? 実は、このシュワシュワとした泡を直接体に当てても、あまり効果はありません。炭酸ガスは、お湯に溶けてから効果を発揮します。
お湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚から血管に入り、血管を拡張し、血行を促進します。血行が促進されると、疲労物質も排出され、体のコリもほぐれます。そのため、炭酸ガスタイプの入浴剤は、しっかりと溶け切ってから入浴するのがおすすめです。

■入浴後だけでなく、入浴前にも水分補給が大切って本当?

これも本当です。入浴では、汗をたくさんかきます。温度や時間にもよりますが約800mLの水分を失うと言われています。脱水症状を防ぐためにも、入浴後だけでなく入浴前にもしっかりと水分補給をしてから、入浴をしましょう。

■入浴剤は色や香りだけで、あまり効果が無いって本当?

これはウソです。入浴という行為自体が体を温めてくれたり、体の疲れが取れたりと、様々な効果がありますが、入浴剤を入れることで、この入浴自体の効果を高めてくれる働きがあります。
さらに入浴剤によって、保湿にすぐれているもの、自然由来の成分だけで作られているもの、メントール成分が入っていて夏でもすっきり入浴できるものなど、様々な種類があります。
お気に入りの香りや色を楽しむのはもちろん、ご自身の悩みに合わせて、入浴剤を選んでみてください。

参考文献 早坂信哉:「たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法」、角川学芸出版、2014