入浴により、皮膚表面に次のような変化が生じます。

  1. 皮膚表面は、角質層に浴水中の水分が浸透し膨潤します。
  2. 皮膚表面を覆っている皮脂膜が失われ、保湿に関与する成分が洗い流されます。
  3. 入浴後、角質層の水分が蒸散し、皮膚の乾燥状態へと繋がり兼ねません。
    そのため、スキンケア系入浴剤を使用し、全身の皮膚を乾燥から守ることが有効です。

そこで、スキンケア系入浴剤を使用した際の、皮膚の水分量を試験しました。
入浴条件は、41℃の湯に、10分間の入浴を行い、前腕部の角層水分量を測定しました。
試料は、液体タイプのスキンケア入浴剤を用い、対照をさら湯入浴としました。

〇スキンケア入浴剤
□さら湯
*p<0.05 **p<0.01
FRAGRANCE JOURNAL 2004-7


上のグラフより、さら湯入浴の場合は、入浴後10分までは入浴前の角層水分量を保持していますが、それ以降は減少し皮膚が乾燥していると言えます。一方、スキンケア入浴剤使用の場合は、角層水分量がさら湯と比較し常に有意に高く、皮膚の乾燥を抑制していることがわかります。
角層水分量は、入浴時の湯の温度にも影響し、湯温が高いと入浴後に減少しやすいことがわかっています。皮膚に配慮した入浴法として、高すぎる湯温や長すぎる入浴時間に注意することが必要です。また、水道水中の塩素除去機能を持つ入浴剤は、皮膚を防御することに有効に働きます。