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研究領域

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育毛-血流促進

 育毛剤の最適な処方を開発するために、品質工学という手法を用い、効果の高い処方の開発を目指しました。独自センブリエキス、ボタンピエキス、ニンジンエキスには血流促進作用は全くないにもかかわらず、これらをショウキョウチンキと組み合わせた生薬育毛剤は、ショウキョウチンキ単独よりも強力な血流促進効果を示しました。この不思議な作用を「生薬のシナジー効果」と呼び、効果の高い育毛剤の開発に成功しました。

血行促進作用が高いショウキョウチンキの開発

 ツムラの漢方研究において、生姜を服用すると消化管の血流を上げることがわかっていました。そのメカニズムは、腸管上皮細胞にあるTRP(transient receptor potential)A1チャネルを刺激して血管拡張を促し、腸管血流を改善することです。この生姜の作用を外用である育毛剤に応用できないかと考え、皮膚への塗布による血行促進作用について研究を重ねてきました。その結果、生姜は皮膚においても血流を促進することが明らかとなり、その活性成分は[6]-ショーガオールであることを確認しました。また、ツムラ時代から培ってきた生薬の素材研究を応用し、ショウガを乾熱加工処理(修治)することによって、生姜中の[6]-ショーガオール含量を高め、より効果の高い生姜エキスを開発しました(特許取得済み)。こうして完成した当社オリジナルのショウキョウチンキは、皮膚血流促進作用および育毛作用に優れ、効果の高い育毛素材であることを確かめています。
 この、[6]-ショーガオールの含量を高めたショウキョウチンキを中心として、生薬育毛剤の処方開発を行いました。
 *TRPA1チャネル:温度感受性Transient Receptor Potential(TRP)チャネルは、細胞膜に存在する膨大なチャネル群のひとつで、多くの化学的・物理的刺激を感受するセンサーで、生命活動の重要な機能に関わっています。

品質工学的手法を駆使した生薬育毛剤基本処方の開発

 漢方薬はいくつかの生薬を組み合わせた複合製剤となっており、構成生薬を1つでも抜くと期待された効果は発揮できないといわれています。
 育毛剤も漢方薬と同様に多成分系で構成されており、ただ単に各々の目的成分を組み合わせれば良いというわけではありません。そこで、統計学的な手法を取り入れた品質工学という手法を用い、効果の高い処方の開発を目指しました。
 私達は、効果の基幹と考えた血流促進作用を指標にして、より効果の高い処方の開発を目指しました。本検討時には、育毛剤に配合可能な成分である抗炎症剤、経皮吸収促進剤、脂質除去剤、保湿剤、清涼化剤、 pH調整剤など各種成分の相互作用を効率よく把握するために、統計学的直交表を用いました。また、組み合わせによっては、血流促進を阻害する場合も予想されたので、最高の組み合わせを数少ない実験で得るために、S/N(Sはsignalの略で信号=血流量、Nはnoiseの略でばらつき=ヘアサイクルの毛髪状態を表します)比の大きさで評価しました。このS/N比が大きい成%