暑さが続くと、毎日のように「熱中症」という言葉を耳にします。「お風呂でも熱中症になる」という声も聞きますね。お風呂に入ることで、熱中症は予防できるでしょうか?
熱中症には4つの症状があります
「熱中症」とひとことで言いますが、実は4つの症状があり、それぞれが絡みあっていることをご存じですか?
1)熱失神
人は生きていくうえで、常にエネルギーを作っています。エネルギーをつくる=「熱を発生する」ということですが、血液循環にともなう「熱放散」で、体温が上がり過ぎず36℃前後に保っています。
しかし、暑くて、体温がどんどん上がってしまうと「熱放散」するため皮膚に血液がたくさん流れてしまいます。すると一時的に脳へ流れる血液が減ってしまうため「立ちくらみ」や「めまい」が起きてしまう、これが「熱失神」です。
2)熱疲労
また、体温を下げるには汗をかいて気化熱を発生させるのですが、汗をかき過ぎて脱水症状になり倦怠感、嘔吐や頭痛を引き起こす、これが「熱疲労」です。
3)熱射病
さらに、脱水症状になると、体温が上がり過ぎてしまい、自律神経に支障をきたし、体温調節ができなくなってしまいます。その結果、倒れたり意識障害が起こったりしてしまう。これが「熱射病」です。
4)熱痙攣(けいれん)
一方、体温を下げるためには出る汗ですが、汗のもとは血液の「血漿(けっしょう)」です。そして汗にはカリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、重炭酸イオンなどのミネラルや電解質などが含まれていて、これらが減りすぎてしまうと手足の筋肉が痙攣してしまいます。この症状が「熱痙攣」です。
暑い夏のお風呂の入り方、キーワードは「暑さに体を慣らす」!
お風呂に入ることで「熱中症」の予防になるのでしょうか?
「直接的な予防」にはならないかもしれませんが、間接的に「熱中症」の予防対策に入浴がつながります。
キーワードは「汗」。「熱中症」にならないためには「汗」をかいて体温を下げることが重要です。毎日お風呂に入ることでしっかりと「汗のかけるカラダ」になれるのです。
人間の身体には300万~600万の汗腺がありますが、全てが活動しているとは限りません。通常動いているのは230万程度。「能動汗腺」といわれています。日々お風呂につかって体温を上げ、汗のかける身体になっておくこと、すなわち能動汗腺が多い身体になっておくことで、体温を下げる能力も上がり、結果として「熱中症」の予防対策となります。
夏に気なるにおいのケアもお風呂で!
ちなみに「汗」の99%は水で、出た瞬間は臭いません。アポクリン腺から出た汗が雑菌によって酸化することで臭うのです。そこをケアすればデオドラントもOKですよ。においの元となる汗も、さっぱりお風呂で流しましょう♪
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お風呂に入って、熱中症の予防対策を! Vol.2に続きます。