1. トップ
  2. はぴばす 入浴と健康の情報ページ
  3. 入浴でカラダ作り スポーツ×疲労×入浴の意外な関係
はぴばす:
アスリートインタビュー入浴と香りスポーツ入浴TIPS温泉入浴剤入浴トリビアスキンケア体メンテナンス季節の入浴法入浴科学入浴効果睡眠はぴばす白書コラム

入浴でカラダ作り スポーツ×疲労×入浴の意外な関係

実は悪者ではない、疲労。入浴で疲労から、“超回復”しよう
スポーツ

スポーツと疲労の関係、そして疲労回復における入浴の役割について、順天堂大学大学院で運動生理学の教鞭をとっていらっしゃる内藤久士先生にお話を伺いました。知っていそうで意外と知らない基礎知識をひも解きます。

line_bubble

 

スポーツをする人にとって、疲労はどんな影響がありますか?

実は…“超回復”のために、疲労はなくてはならない現象です

スポーツをする人という前提で疲労を定義するならば、全力で頑張っているのに結果=パフォーマンスが落ちてくることと言えるでしょう。例えば選手が1キロメートルを全力で走ったとします。1回目は3分で走れたのが、2回目は3分5秒、3回目は3分10秒というように記録が落ちてきた場合は、その人は一過性(急性)の疲労状態にあると考えられます。また、この一過性の疲労がある程度長いスパンで蓄積すると慢性疲労となって、これもパフォーマンスを低下させる要因となります。例えばプロのサッカー選手でも、シーズンの半ばを過ぎると動きのキレが悪くなったり、走る距離が減ったり、キックの正確性が落ちたりすることがある…。これが慢性疲労です。こうしてみるとパフォーマンスを落とす原因となる疲労は、スポーツ選手にとっては悪者のように捉えられがちですが、実はそうとも言い切れません。もちろん、試合中はできるだけ疲労しないようにしなければいけませんが、体力トレーニングではまったく逆。ある意味、なくてはならないものと言えるのです。

回復を繰り替えすことで能力の限界レベルが向上。これが超回復その理由が、トレーニング原理の1つである「過負荷の原理」。

もともと我々の体には超回復という働きがあり、自分の能力より高い負荷をかけて受けた疲労を上手に回復すれば、元の能力より高いレベルに到達する力が備わっているのです。

そしてこの超回復を繰り返すことで、体力アップを狙うのがトレーニングの原理。まさに疲労なくして体力トレーニングの効果無し!つまり疲労は決して悪者ではなく、疲れた上で「上手に回復すること」がとも重要なのです。

line

では、スポーツで疲労した時、体はどのような状態になっているのでしょうか?

自動車で言うガス欠状態。
でも実はエネルギー源はいろいろ

スポーツでの肉体の疲労を車に例えると、ガス欠状態。つまりエネルギーが十分に供給できなくて、筋肉が動かなくなる状態です。ただし人間の場合、運動のタイプによってエネルギー源が違うので、まずはこれを整理してみましょう。

軽い運動を継続する場合 脂肪&酸素がエネルギー源


ウォーキングなどゆるやかな運動では、体内に取り入れた酸素で脂肪を燃やしてエネルギーにします。脂肪は我々の体重の約2割もあり、燃費も良いため、なくなってしまうことはありません。酸素と血液の供給がある限り、運動し続けることができます。

筋肉が疲労を感じる運動の場合 炭水化物(グリコーゲン)&酸素がエネルギー源

競技スポーツなど、もう少しハードな運動の場合は、筋肉中にある炭水化物(グリコーゲン)を酸素を用いて燃焼しエネルギーにします。炭水化物は脂肪より効率 よくエネルギーを生み出せますが、体内に貯蔵できる量は脂肪よりはるかに少ないため、長時間の維持はできません。例えばサッカー選手の太ももの筋肉だった ら、一試合でほぼ空っぽになってしまうので、試合の最後にはあまり激しい動きが出来なくなってしまうイメージです。

さらに激しい運動の場合 炭水化物(グリコーゲン)を分解し乳酸が発生

短時間に激しい運動を必要とする時(短距離走など)は、酸素を取り入れて燃焼していてはエネルギーが足りません。そんな時には、筋肉中にある炭水化物(グリコーゲン)を分解することで、自らエネルギーを生み出します。車で言うと、通常はガソリンと酸素でエネルギーを生み出して走るけれど、いざとなったら電気 で走る、ハイブリッドカーのような感覚ですね。我々の体は40秒くらいは酸素無しでも激しい運動ができるのです。一流の陸上競技選手で言うと400メート ル走ギリギリくらいまででしょうか。

そしてこの分解で発生するのが、疲労物質として有名な乳酸です。乳酸はその名の通り酸としての性質を示 すので、もともと中性~弱アルカリ性に出来ている我々の体内を部分的に酸性に傾けてしまいます。体内が酸性に傾くと、様々な体の仕組みがうまく働かなくな り、例えば、筋肉に指令を出す神経の伝達がうまくいかず筋肉が力を出せなくなったり、体調が悪くなって吐き気をもよおしたりしてしまうのです。こんなに激 しい疲労を引き起こす乳酸ですが、実はこれも悪者と言い切ってしまうことはできません。というのも最近の研究では、乳 酸を運動中や運動後にそのままエネルギー源として利用したり、他の物質に変換するしくみが明らかにされてきたからです。つまり発生した場所にとどめておか ず、血液内に備えられている中和物質(重曹。この重曹による中和の働きを高めるために有効なのがクエン酸で、疲れた時にレモンを食べると良いと言われるの はそのためです)で素早く中和し、血液で必要なところになるべく早く送り出せれば、乳酸はまた新たなエネルギーになる可能性をもっているということなので す。いかがですか?運動の種類と使用するエネルギー、そして疲労の関係は整理できたでしょうか?もちろん、疲労には、「肉体的」と「精神的」、「局所的」 と「全体的」などがあり、一概には言えませんが、まずはこの基本の関係を知っておくと、回復を考える時のヒントになるのではないでしょうか?

line

では最後に、疲労を回復するための方法を教えてください!

入浴は、疲労回復のためのトータルなサポーター

 最初の話に戻りますが、一過性の疲労を毎回積み重ねて慢性疲労に陥らないように、また、体力トレーニングで受けた疲労を超回復にもっていくために、上手な疲労回復というのはスポーツをする人にとってとても大切です。

そこで、重視されるのが食事睡眠。「運動」「食事」「睡眠」は保健指導の基本でもありますが、例えプロのアスリートでもこの基本は変わりません。運動で失ったエネルギーと様々な栄養素を食事でしっかり補い、睡眠で精神と体をリフレッシュさせる、まずはこれができないことには上手な回復は望めないのです。

そして、この時重要になるのが血液の流れです。

食事で摂取した栄養を、ダメージを受けた筋肉まで運んでくれるのが血液なら、先ほどお話した乳酸を中和し、ダメージを受けた場所から必要とされる場所へ運ん でくれるのも血液です。ならばこの血液を必要とするところに上手に供給してあげれば、効率的な回復が望めるのでは?と思いませんか?

実はそれが簡単にできるのが、体温をあげて血液の流れを促進してくれる入浴なのです。

疲労回復の基本また、入浴は「睡眠」にも良い影響をもたらします。

人間は1日24時間に活動期と休息期のリズムをもっているのですが、入浴することで休息期に入るリズムを作ることが可能です。精神的にもリラックスし、睡眠にうまく導入できれば、目覚めも快適でリフレッシュ感が高まります。

このように、入浴は「食事」「睡眠」そして精神的な疲労もケアしてくれる、疲労回復のためのトータルなサポーター!プロのアスリートはこの効果に注目し、冷水浴、交替浴(温冷入浴を繰り返す)、流水浴など目的に合わせたメンテナンスも行っていますが、一般のスポーツをする方なら、まずはしっかり入浴するだけ でも、これらの効果を上手に引き出す刺激になって回復力が高まると考えられます。

運動の後、汗を流すためにシャワーを浴びて、入浴はしない…という方も多いようですが、回復を促し、ひいてはパフォーマンスを上げるためのサポートとして、入浴の効果を取り入れてみてはいかがでしょうか?

line

<話を伺った人>

内藤久士 教授

順天堂大学大学院
スポーツ健康科学研究科
運動生理学研究室
内藤久士 教授

「加齢および運動トレーニングが骨格筋に及ぼす影響」「運動とヒートショックタンパク質に関する研究」などを行う。またプロアスリートやスポーツ愛好家、子供たちといった幅広い対象への、わかりやすい運動生理学の指導や解説にも定評がある。

ソーシャルメディア
Instagram バスクリン公式アカウント bathclin_jp
バスクリン公式Twitterアカウント
メールマガジン
バスクリンメールマガジン

会員情報変更はこちら>

通販サイト
バスクリン通販ショップ
このページのトップへ