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入浴でカラダ作り スポーツ生理学から見たサッカー(理論編)

サッカーの試合ではいかにサボるか?が重要?!
スポーツ

ワールドカップにオリンピックと、常に注目を浴び続ける人気スポーツ、サッカー。今回は内藤教授に、サッカーをスポーツ生理学の視点で解説していただきました。観戦する人にもプレーする人にも役立つ情報をお届けします。

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サッカーのスポーツ生理学から見た特性を教えてください。

実は…試合の中で「サボる=休んで回復する」ことが大切なスポーツです

スポーツ生理学において、最後の1発やたった1球の行方で勝負がつくことのある球技は、評価や研究が難しい分野です。ところがサッカーだけは別。世界的な競技人口も多く、国やチームの威信、そして経済にも影響する競技だけに、勝つ=高いパフォーマンスへの投資や研究が盛んなのがその理由。球技の中ではもちろんのこと、他の競技と比較しても、とても研究が進んでいる競技なのです。

さて、サッカーをスポーツ生理学の観点で見た時、最初の評価軸になるのは「一試合にどのくらい動いているか」です。サッカー選手は90分の試合で、ポジションの違いはありますが、平均約10〜12Km、時には15Km以上も移動しています。この距離をどう思うかはその人の判断によりますが、これだけ動くサッカーにおいて、高いパフォーマンスを発揮するためにはどうするか…。それには、ちょっと面白い言い方をすると試合中に「いかにサボるか=休みながら回復を図るか」が重要になってくるのです。

では、なぜ「サボる=休んで回復する」と表現したのか解説しましょう。サッカーの走り方はとても特殊です。というのも、選手たちは試合中ずっと走っているわけではなく、数m〜20m、長くても50mくらいの瞬発的で強度の高い走り方を、何度も何度も繰り返している状態だからです。そうなると当然エネルギーの使い方も独特です。走る時のエネルギーの使い方についてはこちらでお話しましたが、長距離を走るランニングの場合は、酸素を使って体内の脂肪を燃やし、エネルギーに。短距離走のような短時間の激しい運動の場合は、筋肉内に蓄えられたクレアチンリン酸(PC)と呼ばれる物質やグリコーゲンなどを分解してエネルギーを生み出します。そしてサッカーの場合はまさにこのミックス。通常はマラソンのように脂肪と酸素を使って走り、いざボールと絡み瞬発力の必要な場合は、蓄えている高エネルギー物質を分解してスプリンターのように走る…最新のハイブリッド車がガソリンと電気を上手に使い分けて走る、のと同じように、異なるエネルギー供給システムを上手に利用しているのです。ちなみに90分フル出場で激しい試合をすると、サッカー選手の筋肉内にあるグリコーゲンはほぼ空っぽな状態。よく試合終盤で足が止まるのはこのためです。だからこそ、ほぼ枯渇することのない酸素と脂肪を使う時間を上手に確保することで、乳酸の蓄積を防ぎながら試合の最後まで筋肉の中にグリコーゲンなど瞬発的な動きに必要なエネルギーを蓄えておき、チャンスの際に最高のパフォーマンスとして発揮することが大切になってくるのです。

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サッカー選手に求められる身体能力はどのようなものですか?

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求められるのは、バランスのとれた身体能力

エネルギーの使い方から見てもわかるように、走るという点で言うと、サッカー選手には持久力と瞬発力の 両方を要求されます。実際に身体能力の調査をすると、長距離的と短距離的な能力を、バランス良く持っている人が圧倒的に多いのがサッカーという競技です。 また、ひと昔前の日本では、「筋肉が発達しているからサッカー選手の脚は太い」というイメージがありましたが、これは間違い。強いコンタクトに打ち勝つためには、上半身の筋力も重要で、下半身だけ特別ということはありません。実際に調べてみると、スポーツ選手ですから一般の人に比べてある程度肥大の傾向はありますが、それがサッカー選手の個性になるほど、脚の筋線維(細胞)だけが特別に肥大しているとは言えません。反対に、筋肉の線維があまり太くなると、血管から酸素やエネルギーの供給がされにくくなり、長距離を走るサッカー選手にはデメリットにもなり得るため、やはりここでも求められるのはバランスのよい筋肉力と言えるでしょう。

多くのスポーツでは、もし本格的な競技者になろうとした場合、子供の頃から独特の身体能力や特殊な部位のトレーニングが求められることがあります。バスケットボールやバレーボールなら身長、バレエや新体操なら手足の長さなど、遺伝的要素によって左右されるものも少なくありません。しかし、サッカーは、ある程度 バランスの良い運動能力があれば、それが最大の武器になるスポーツ。多少その力量に差があったとしても、瞬発力があるならフォワード、持久力があるなら ミッドフィルダーと、その特性を活かすことができますし、世界で活躍中の選手たちを見てもわかるように、身長や体型もあまり関係ありません。反対に、国や 民族によって体型に違いがあるからこそ、それぞれの戦術やスタイルが生まれ、より魅力的な競技になっているのです。いわばサッカーは、誰でも参加でき、誰でも競技者になれる可能性をもった夢のあるスポーツ。現在世界でこれだけ競技人口が多く、また愛されているのも、そういった幅の広さ、バランスの良さが影響していると言えるでしょう。

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<話を伺った人>

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順天堂大学大学院
スポーツ健康科学研究科
運動生理学研究室
内藤久士 教授

「加齢および運動トレーニングが骨格筋に及ぼす影響」「運動とヒートショックタンパク質に関する研究」などを行う。またプロアスリートやスポーツ愛好家、子供たちといった幅広い対象への、わかりやすい運動生理学の指導や解説にも定評がある。

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